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2010.4.28

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耳にタコができている人も多いかもしれませんが、「藤沢周平といえば游明朝体R」と長いあいだ言い続けたおかげで事件(?)が起こりました。4月29日、山形県鶴岡市に藤沢周平記念館がオープンしました。その開館を記念して、2冊の本が出版されました。1冊は藤沢周平記念館の図録、もう1冊は藤沢周平著「乳のごとき故郷」(文芸春秋社刊)です。ありがたいことにこの2冊の片隅に藤沢周平と游明朝体Rについて触れられています。図録の方は私のインタビュー記事なのですが、ライターの烏兎沼佳代子さんの文章がとても素敵です。「乳のごとき故郷」では阿部達二氏が「解題」で触れています。その最後には『「海坂明朝体」とも呼びたいこの書体、泉下の藤沢はどう見ているのだろうか』とあります。どきりとしました。こんなものでは、と呆れているのか、はたまた、まだまだだな、と励まして下さるのか。今回の2つの事件で游明朝体Rと藤沢周平作品との距離が急激に縮まったことに、うれしい反面、戸惑いもあります。言ったからには逃げられない。踏ん張ってがんばらねばと思います。(鳥)

 

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鶴岡市立藤沢周平記念館

 

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乳のごとき故郷 文芸春秋社